4月に入り、新しいスーツを着た新入社員の方々や、入学式・入園式の投稿をFacebookで見かける機会が増えてきました。

新年度は、多くの企業にとって新しい挑戦が動き出す節目の季節でもあります。

実際、この時期は設備投資や新規事業の相談が増えると同時に、補助金の活用についてのご相談も多くなります。

その一方で、ここ最近よく話題になるのが

「補助金コンサルはどこまでできるのか」
「行政書士法改正との関係はどう整理すべきか」

というテーマです。

今回は、行政書士法改正の流れと経済産業省のグレーゾーン解消制度の整理を踏まえながら、補助金支援という仕事の本質について、実務の現場から整理してみたいと思います。

行政書士法改正で何が整理されたのか

令和8年(2026年)の行政書士法改正により、

官公署提出書類の作成業務

についての整理がより明確になりました。

ポイントは次の通りです。

・官公署提出書類の作成を業として行うことは行政書士の独占業務
・報酬を得て書類作成そのものを代行することは原則不可
・実質的な代行とみなされる支援には注意が必要

この部分だけを見ると、

補助金コンサル(専門家の支援活用)はできないのではないか

と感じる方もいるかもしれません。

しかし実務上はもう少し丁寧な整理が必要です。

補助金コンサルは違法なのか?

結論から言えば、

補助金支援=すべて行政書士の独占業務

という整理にはなりません。

ここで重要になるのが、

事業計画の検討支援と提出書類の作成代行は別の業務である

という点です。

補助金申請では

・経営課題の整理
・投資内容の検討
・市場分析
・収益計画の検討
・実施スケジュールの設計

といったプロセスが必要になります。

これらは本質的に経営支援の領域です。

グレーゾーン解消制度が示した整理

経済産業省のグレーゾーン解消制度では、

補助金に関連する事業計画策定支援について

・事業内容の整理
・市場分析
・収益計画の検討
・経営課題の整理

といった支援は

経営コンサルティング業務として整理され得る

という考え方が示されています。

つまり、

補助金申請のための構想整理そのものは
行政書士の独占業務とは必ずしも一致しない

という整理です。

ここは実務上とても重要なポイントです。

補助金支援は「書類作成」ではなく「経営課題の整理」である

私が今回の整理の中で特に共感したのは、

補助金支援の本質は
書類作成ではなく経営課題の整理にある

という点です。

補助金は制度である以上、

・自社の経営課題は何か
・どの設備投資が必要か
・どの市場を狙うのか
・どのタイミングで投資するのか

といった意思決定と密接に関係しています。

つまり

自社の経営課題と補助金制度を結びつけることそのものが専門性の高い仕事である

と言えると感じています。

事業者だけで補助金申請を進めることは現実的ではない

実務の現場にいると感じるのは、

補助金申請を事業者が単独で進めることは
現実的には非常に難しい

ということです。

理由は明確です。

・制度理解に時間がかかる
・事業計画の整理に専門性が必要
・通常業務と並行して進める余裕がない
・採択後の手続きも含め負担が大きい

結果として

本来活用できたはずの制度を

難しいからやめておこう

と諦めてしまうケースも少なくありません。

これは事業者にとって大きな機会損失です。

専門家と進めることで経営に集中できる

専門家と一緒に進めることで

事業者は本来注力すべき

・商品開発
・営業活動
・組織づくり
・顧客対応

といった経営の本質部分に集中することができます。

その結果として

制度の恩恵を受けながら
事業の成長スピードを高めることが可能になります。

補助金支援の価値はここにあると考えています。

補助金支援を単純に独占業務としてしまうことへの違和感

補助金支援のすべてを

行政書士の独占業務

として整理してしまうと

結果として不利益を受けるのは事業者です。

補助金は本来、

事業者の挑戦を後押しする制度です。

その制度へのアクセスが難しくなることは
制度本来の目的とも一致しません。

だからこそ重要なのは

制度の趣旨を理解しながら
適切な役割分担の中で支援を行うこと

だと考えています。

補助金の目的は「採択」ではない

補助金の目的は

採択されることでも
書類を作ることでもありません。

制度を活用して

売上を伸ばすこと
新しい事業を立ち上げること
投資の意思決定を前に進めること

です。

その過程で

事業計画が整理され
やるべきことが明確になり
経営の方向性が言語化されていきます。

ここに補助金活用の本質的な価値があります。

事業計画を持つ企業は成長していく

実務を通じて感じるのは、

事業計画を作成している企業と
作成していない企業では

業績の伸び方に明確な違いがある

という点です。

特に

定期的に振り返りを行っている企業ほど

改善のスピードが速く
投資判断も的確になる傾向があります。

補助金申請は

単なる申請業務ではなく

事業計画を整理する非常に価値の高い機会です。

行政書士法改正は補助金支援の在り方を見直す機会

今回の行政書士法改正は

補助金支援という仕事を見直す良い機会でもあると感じています。

重要なのは

制度を正しく理解すること
役割の線引きを意識すること
経営支援としての価値を高めること

です。

補助金は

取れるかどうか

ではなく

経営にどう活かすか

が重要です。

新年度のスタートにあたり、

制度の話だけでなく
経営の方向性から一緒に整理していく支援ができればと思っています。