こんにちは。中小企業向けに補助金活用の支援を行っている金井です。今回は、実際に「ものづくり補助金19次公募」で寄せられた相談内容と、そこから見えた傾向・申請と採択のポイントを共有します。既に20次公募も始まっていますので、「今から何を準備すべきか?」を含めて、支援者目線でまとめました。
相談5件 → 実際に申請したのは2件だけ。その理由とは?
19次公募では、5件のご相談をいただきました。
しかし、申請に至ったのはそのうちの2件だけ。これは「申請を断念した」のではなく、「そもそも対象外と判断された」ケースが3件あったためです。
×申請~採択が難しい代表的なパターン
- 単なる設備の入れ替えや作業効率向上
例:既存の工作機械を新型に更新し、作業時間を短縮する取り組み
→ こうした内容は“新規性が乏しい”と判断され、対象外になりやすいです。 - 既存システムの拡張や微修正レベルの改善
→ DXや効率化は目的として良いのですが、「他社でもやっていること」「目新しさがない」と評価されると不利になります。社内に導入したシステムの追加開発も対象外となります。
申請に至った2件の事例紹介
一方で、申請に進んだ2件には明確な共通点がありました。
それは「新たな取り組み」「独自の工夫」「サービスや事業の変革性」が明確だったことです。補助金申請では「新規性」「独自性」「市場への波及性」が重視されます。
1.【業界特化 × SaaS展開】
社内で活用してきた業務支援システムを、業界向けに外販
- 顧客管理・営業進捗・広告効果の可視化などを一元管理する独自システムを構築
- 自社内で運用・改善を重ねたノウハウを活かし、同業他社向けのSaaS型サービスとして展開する新規事業を申請
- 「○○業界に詳しい会社が開発した」という信頼性と、ストック型収益への転換を図る点が特徴
→ 「実用性+再現性のある仕組み」で、業界への波及性も高いと判断し申請へ
2.【IT企業 × AI業務支援ツール】
属人化を防ぐ“AIアドバイザー”の開発プロジェクト
- 中小企業向けに、過去の対応履歴やノウハウを学習し、提案や改善を自動支援するAIツールを企画
- 特にマニュアルの自動生成、進行支援、質問応答などの機能により、業務の標準化と効率化を目指す
- 今回は○○業向けに絞った業界特化型の初期展開を想定し、申請書を作成
→ 「社内効率化」にとどまらず、「サービス化・外販による新たな価値創出」が狙い
共通する成功の要因とは?
2社に共通していたのは以下のポイントです。
- 自社内での実運用を経て、再現性のある形でサービス化する、そのための新規開発である
- “新しい収益源”として、会社の事業モデル転換を促す取り組みである
- 将来的な外販・SaaSモデル化など、市場への広がりが見込める
こうした取り組みは、単なる社内効率化ではなく、**「事業の変革」や「新たな柱の創出」**に直結している点が、補助金の評価でも特に重要です。
20次公募に向けて今からできる準備とは?
20次公募は【2025年4月25日〜7月25日 17:00締切】で受付中です。
電子申請は7月1日以降に開始予定ですが、準備は今から始めるのが得策です。
✔ 採択されやすい事業の特徴
- 自社初の取り組みであること(新規開発)
- 顧客体験や社会的価値を高めるサービス
- 独自ノウハウ・技術が活用されている
- 補助金が事業成長にどう寄与するかが明確
✔ 今すぐ始めたい3つの準備
- 事業の“新規性”を言語化する
- 3年後の収益見通しやKPIを整理する
- GビズID(プライムアカウント)を取得しておく
補助金申請=未来の投資判断を言語化する機会
補助金の申請書を書くというのは、単なる“書類作業”ではありません。経営者自身が「なぜこれに投資するのか?」「それが会社にどう影響するのか?」を外部に説明できる状態にするという、大きな経営整理の機会でもあります。
そして、申請に進まなかった3件のケースでも、「自社の事業をどう磨いていくか?」という気づきにつながる時間になったと感じています。
まとめ
- 19次公募では「新規性」「独自性」が強く求められた
- 単なる生産性向上やシステム拡張はNGになりやすい
- 20次公募では早めの準備がカギ
- 申請に進まなかった場合でも“経営の棚卸し”になる
補助金は、正しく使えば事業の成長スピードを大きく加速させてくれます。
一緒に、未来の種まきを始めてみませんか?
ご相談受付中です
- 「これって補助金の対象になるのかな?」
- 「事業計画、どう書けばいいかわからない」
そんな段階でも大丈夫です。
弊社では「ものづくり補助金(20次)他」補助金活用に関するご相談を承っております。
無料相談受付中! 「申請方法が分からない」「事業計画の作成を手伝ってほしい!」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
[お問い合わせはこちら]
問い合わせ先:
info★m-brains.net 担当:金井
※★マークを@に変えてください
公式情報はこちら:ものづくり補助金総合ポータルサイト